ダイナミック・ケイパビリティー
経営理論の中にダイナミック・ケイパビリティーという概念があります。経営理論の中では比較的新しいもので、アカデミックな理論としてはまだ少々未完成ですが、いまの激動の時代には大切な考え方だと思います。別段難しい概念ではなく、激動に時代に適応していくためには、チャンスやリスクを素早く察知し、そこに合わせて組織体を次々組み替えていけることが大切だという程度のことです。しかし、意図的に機動的な組織をどう作っていくかとなると、意外と簡単ではないのかもしれません。いえ、難しいことではありませんが、時間と手間がかかるというのが正確な表現のような気がします。
わたしたち伊勢角屋麦酒では、このコロナ禍の中、いくつかの新しい取り組みを行ってきました。わたしたちは、わたしがしっかりとした意思決定をすれば、スピードや精度の違いはあるものの、曲がりなりにもそこに向かって動き出す組織にはなっているようです。小さな会社でスピードだけが取り柄のような組織だけに、スピードで勝てなければ、大きな立派な会社さんに太刀打ちできることは一つもないので、当然といえば当然なのですが、それに加えて、うれしいのは、最近は、それぞれのタスクで少しずつPDCAサイクルを回せるようになってきました。状況に応じて、ダイナミックに組織を動かし、それぞれの組織やタスクでは従来のPDCA的な方法で効率化を図る。この流れをトータルに加速させていきたいと今強く感じています。その結果、もっとたくさんの素晴らしいビールも生み出せるでしょうし、もっと多くの方に必要とされる会社にもなっていけると思っています。
