Australian International Beer Award 2018
伊勢角屋麦酒ファンの皆様
こんにちは。社長の鈴木成宗です。日頃のご愛顧に心から感謝申し上げます。
私、先週はオーストラリアはメルボルンに行っておりました。今年で3年連続でAustralian International Beer Award(AIBA)の審査員に招待を受けておりまして、このところ毎年この時期にメルボルンに行っております。今年も秋のメルボルンを楽しんできました。
少し話が逸れますが、メルボルンは世界で二番目に住みやすい街と良く言われる街でして、(じゃ一番がどこかというと諸説あります)、街は非常に美しく、治安は良く、人々はジェントルで、かつ、イタリア系の移民が多かったため食文化も非常に豊かです。難点は、訛が多くて早口のオーストラリア英語に毎度初日は悪戦苦闘させられることくらいでしょうか。
そのメルボルンで毎年5月に開催されるAIBAはビールの世界の4大大会の一つと言われている格式ある大会でして、私たち伊勢角屋麦酒にとっても非常に思い出深い大会なのです。
1997年に創業した伊勢角屋麦酒の最初の目標は世界大会で優勝することでした。そして、2003年はじめて世界クラスの大会で金賞を受賞したのがこのAIBAだったのです。金賞とBest of Class Winners賞の同時受賞、しかも金賞は日本のメーカーとしては初めてというおまけつきでした。そして、さらに当時はお金が無くて、授賞式に招待を受けたものの、授賞式に行くお金が無かったという更なるおまけ付きの、思い出深い大会です。
それ以来、この大会では、当社は多くの受賞をしておりまして、昨年も出したビール全てが受賞するという快挙を成し遂げた私たち伊勢角屋麦酒には非常に相性のいい大会です。誤解のないように申し添えておきますが、公平を期すために、審査員は自社のビールが出品された際は、自身では審査できないように慎重にプログラムが組まれ、経験値の高い各国審査員の採点とディスカッションで受賞酒を決めていく非常に透明性の高い審査プログラムになっています。ただ、オーストラリアでの大会で、オセアニアの審査員が多いことから若干の嗜好の偏りはありますが、これは、世界最高峰の大会でもあることなので致し方ありません。おそらく映画のオスカーなどでもそうしたことはあるのではないでしょうか。
昨年大量に受賞したため、当社は今年は出品を差し控えたため、結果的に私はこれまでは自社のビールがあるために審査できなかったカテゴリーも含めてあらゆるカテゴリーの審査をさせていただいてきました。いろいろ学ぶところも多かった大会ですが、ちょっと残念だったのは、行く直前にひどい風邪をひいてしまい、ベストな体調で審査に挑めなかったことです。プロとして言い訳の効かない失態でした。また、昨年以降は審査後もメルボルン市内の多くのブルワリーを渡り歩いて知見を深めたのですが、今年は、体調を考慮してホテルで大人しくしていた日がほとんどで、これもなんとも残念でした。
それでも、既に顔見知りとなった多くの審査員から各国のいろいろなビール事情を聞くことができて知見が広がりました。
ビールの品質や醸造の技術についての知見を得ることも非常に有意義ですが、社長という立場上、各国のクラフトビール事情を聞くことで、今後の日本の業界の動きを推察できることが大きいですね。
それなりにいい旅でした。