私の学び
伊勢角屋麦酒ファンの皆様
こんにちは。社長の鈴木です。台風19号被害で被災された方々に深くお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧・復興を祈っています。
7月に本を出版して以来、あちらこちらでお話させていただく機会をいただいてまいりました。2か月半のうちに大小合わせて30か所以上で話をさせていただきましたので、このブログを読んでいただいている方の中にも私の話を聞いていただいた方がいらっしゃるかもしれません。
さて、今回私の最近の『学び』について書かせていただきたいと思う。
3年ほど前からそれまでご縁の無かった都会の起業家の方々、大学教授、出版関係の方などとご縁をいただくようになった。そうした方々と付き合うようになって強く感じたのは
「俺って何にも知らないんだな。」
ということだった。
3年前といえば、クラフトビールの世界では、既に何度も国際大会で受賞を重ね、国際審査員歴も20年、野生酵母の分野では博士号も持っていて、いくつか論文も書いていたので、ことビールや発酵という分野においては、私でもそれなりに経験も知識もあったはずだが、それ以外はからっきしだと言うことが嫌と言うほど思い知らされた。
以来、3年間、私なりに勉強してきた。
元来のめりこむ方で、40歳を超えてから行った博士論文研究もそれなりに楽しんでやれたくらいだから、今回も一旦学び始めると楽しくて仕方がない。
やり方は簡単で、誰かと話していて分からないことがあった分野だとか、何かのきっかけで強く興味をひかれた分野の本や論文を片っ端から読みあさるだけ。そうした本を読んでいるうちに、あらたに疑問や興味が出てくれば、またその分野の文献を探して読む。もちろん新聞やいくつかの業界紙などで世の中の定点観測はしているのは当然である。
人と会うことが増え、刺激も多くなり、著者や編集者から献本として新刊本が送られてくることも増え、公開対談の前の下調べに相手の著書を読むなど、読みたい本・読まなくてはならない本は指数関数的な増加をしているものの、今のところこうして学ぶことが楽しくて仕方がない。最近読んだ本でウォーレン・バフェットもビル・ゲイツも猛烈な読書家であることを知って、意を強くしたところでもある。そして3年間の学びにようやくこのところ確かな手ごたえを感じ始めた。多くの先人たちの知見が自分の中で少しずつ有機的に結びついていく感覚が楽しくて辞められない。知識人と言われる方々に比べれば、まだほんの端緒についたばかりだろうが、この先の人生の学びを思うとゾクゾクするほどの楽しさを感じる。
蛇足ながら付け加えると、ある分野の本を読み漁るとともに、興味をもった著者の本を片っ端から読んでしまうこともある。特に面識がある方の中には、著作のすべてを読んでいる方も少なからずいる。
ソニー創業者の森田さんや井深さんに仕えたMG創始者の西順一郎先生が、かつて、
「一つの分野を深堀してあって、且つ、広く物事を知っている人、いわゆる『T字型』人間が良い。」
と言っていた。私もボチボチとT字型人間になっていきたいと思う。